認知症発見のきっかけ

認知症の症状と言えば「物忘れ」「徘徊」を思い浮かべる方も多いと思いますが、
これら以外にも様々なものがあります。

 

 

どんな症状かを知り、ご本人がどう感じているかを理解することによって、症状を解決する糸口が見つかることもあります。

 

早期発見が重要!


他の病気と同様に、認知症も早期発見・早期治療は重要です。認知症が疑われ同様の症状があっても、早く対処すれば治療できるような別の病気の可能性もあります。

そして、認知症であることが確定しても、早い段階から様々な治療や介護サービスなどを受けることで、その後のQOL(生活の質)が向上することもあるのです。

認知症の中核症状と行動・心理症状(周辺症状)

認知症の症状は大きく「中核症状」と「行動・心理症状(周辺症状)」に分けることができます。

 

主な症状
中核症状 記憶障害 / 失語・失行・失認 / 見当識障害 / 遂行機能障害
行動・心理症状(周辺症状) 無関心 / 不安・焦燥 / イライラ / 興奮・攻撃 / 過食 / 徘徊 / 不眠

中核症状

中核症状とは文字通り認知症の中核にあると想定されている症状で、脳の病変による認知機能の低下から引き起こされます。

程度の差はあれど認知症であれば必ず起こりうる症状で、進行とともに徐々に重くなり、進行を遅らせることはできても、完全に止めることはできないとされています。

周辺症状(行動・心理症状:BPSD)とは

行動・心理症状は、その人の置かれた環境や周囲の人々、生活の歴史との関わりが深く、現在の環境や対応が適したものであれば軽減・消失することもあり、全ての認知症の方に生じるものではないとされています。

認知症はいろいろな症状のあつまり

「認知症」は、さまざまな病気により脳の働きが低下して起こる一連の症状をさす言葉で、病名ではありません。認知症の原因になる病気は、一般にはアルツハイマー病がよく知られていますが、ほかにもたくさんあります。病気によって症状のあらわれ方や治療方法などが変わるため、早めに診断を受けることが重要です。

脳の働きの低下による症状

すべての人にいずれかの症状があらわれる

 

症状 具体的な症例
記憶障害 ひどい物忘れ・新しい記憶が抜け落ちる
判断力の低下 正しい方を選べない
理解力の低下 新しいルールがのみこめない
見当識障害 時間、場所、人がわからない
実行機能障害 慣れているはずのことが段取りよくできない

環境や体験、気質による症状

約8割の人に、いずれかの症状があらわれる

 

症状 具体的な症例
多弁・多動 おしゃべりが止まらない・じっとしていない
暴言・暴力 突然怒り出す・攻撃的になる
排泄トラブル おもらしをする・便を手にとる
徘徊 あてもなく歩き回って帰れなくなる
食行動異常 過食・拒食・異食(食べ物以外のものを口に入れる)
昼夜逆転 夜になると興奮して大声を出す
幻覚 そこにないものが見えると言う
妄想 お金を取られたなどと思い込む

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